晴れた日はクロスカブに乗って

さいたまのクロスカブ(JA60)乗りが、行った先や美味しかったもの、地産品などを記録します。

吉川市の旅

2023/11/25

 今日は嫁さんが昼過ぎまでいないので、一昨日に続き埼玉制覇に出かけることにした。昨夜から寒気が入ってきているので、下はスパッツにジーパン、上は厚手タートルにボア付きレザージャケット、さらにハンドルカバーも装着した。

 この万全の態勢で向かう先は吉川市だ。

 吉川市は八丁堀にオフィスがあった当時、通勤の武蔵野線で毎日通過していた馴染みのある町。しかし吉川駅で降りたことはないし、目的を持って訪れた記憶もない。申し訳ないがナマズが有名なことくらいしか知らないのだ。

 じゃそのナマズ料理を食べに行ってみよう、と思ったのだが、ナマズ料理はほとんどが鰻屋さんで提供されているらしい。鰻屋さんに入るのはチト敷居が高いし、お値段も高い。本案撤回。代案で竹岡式ラーメンと円筒分水を巡る旅とした。

 竹岡式ラーメンは千葉の富津辺りがオリジナルと聞く。その流れを汲むお店が吉川にあるのだ。さらに円筒分水、富山時代に見に行った魚津市の東山円筒分水槽が本当にきれいで、こりゃサイトを立ち上げる方がいらっしゃるのもうなずけると思ったものだ。

多くの方が日本一美しいという、富山県魚津市の東山円筒分水槽

埼玉県にはこの円筒分水が3基ほどあるそうで、その一つが吉川市にあるのだ。

 さほど大きな市ではないので、まずは三郷方面へ向かった後吉川警察署で左折し、吉川市の南端から北端へ縦断するルートを進むことにした。

 このぐらい着込むと全く寒くはない。天気も良いので走っていて気持ちが良い。まずは市名標を訪れて挨拶。

快晴の下、市名標が輝いています

市章が「吉」と「川」の組み合わせなのは一般的だが、三角形にまとめたのはデザイン性ほんのチョッとだけ高し、かな。

 まず向かったのは新中川水管橋、中川を越えて越谷市に通じる歩道橋を兼ねた橋だ。その水道管には「なまずの里、吉川市」と大書されている。

けっこうな頻度で人や自転車が通ります

My Cubを降りて登ってみると、中川の水量が思いのほか多く、ゆったり流れているのが印象的だ。今日は好天だが台風の時など苦労された歴史もあったのだろう。

滔々と流れる、と言って良いと思います

 昔のメイン通りと思える駅西側を中川に並走する県道を走ると、青銅張りの装飾が残る商店や由緒ありそうな鰻屋などが何軒もある。道路が狭い上にダラダラと混んでいるのでバイクを停めて写真を撮ることができなかったが、その当時は中川を使った水運で活気があった雰囲気が感じられた。

 市街地を抜けさらに川沿いに北上すると、金野井分水工に至る。

市街地を抜けると筑波山も遠望できます

需要時期ではないので水は流れていなかったが、きちんと管理された円筒分水だ。春先は水が張られるのだろうから、その時期に再訪してみたい。印象が全然異なるだろう。

分水槽は水あってこそ、水の時期に再訪だね

 ランチの爺ラーメンは分水からほど近い。開店30分後で6割ぐらいの席が埋まっている。当方は竹岡式ラーメンである爺ラーメンにチャーシュー増し、さらに豚バラ丼をお願いした。爺ラーメンは富山ブラックを彷彿とさせる黒いスープに、やや細めのストレート麺。麺にスープが染みて黒っぽくなっている。これにチャーシューと貝割菜が載り、さらに生の刻み玉ネギが載っているのが特徴だ。

見ただけで美味しさが伝わってきますね

スープは見た目通りやや濃いめ。玉ネギと麺を一緒にすすれば、それぞれの歯応えが楽しく、それをスープがまとめ、口の中が幸せいっぱいになるのだ。豚バラ丼は予想通りの味だったので、次の機会はチャーシュー増し増しにして白飯が良いかも。これで900円、とても満足できたランチだった。

爺ラーメンさん、美味しかったです ありがとうございました

 吉川市、来てみると「吉」をもたらした「川」である中川と共に発展してきた町だったことが良くわかった。落ち着いた街並みも好感が持て、いつか電車で来て、日本酒で鯰のコースを味わってみたいと感じた町だった。

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Beelineで行く鶴ヶ島市の旅

2023/11/23

 う~ん、ずいぶんと久し振りのバイクだ。ひと月半乗っていなかった。その間にすっかり寒くもなってしまった。それなりの理由があって乗れていないのだから反省する必要はないが、カバー被ったままじゃMy Cubも機嫌損ねるかもね。

 さて今回の埼玉制覇の旅は鶴ヶ島市、先週の八ヶ岳に続きまた川越の方だ。当方の住むさいたま市は県の南東部に位置するので、他の多くの市町村は西方に存在する。従い必然的に西隣の川越を通らざるを得ないのだが、いつも車が混んでいるのでチョッと楽しくない。つい北とか東とか選んでしまいがち。これは反省。頑張って行こう!

 鶴ヶ島で前を通るたびに気になっていたお店がこちら、蔵王飯店だ。どうも麻婆豆腐が美味しいらしい。

チョッと印象的な外観、看板の店名は手書きかな?

今回は先日購入したBeelineを試すべく、往路は自分の経路で走りリルートの具合を確かめ、復路はBeeline任せで走ってみた。

 Beelineはルート検索時、大通りを優先するモードか景観を優先するモードが選べる。大通りモードはその名の通り複数車線道路や国道を優先するので、大き目のバイクに向いている。My Cubでは大通りは楽しくないので景観モードの方が合っていると思う。

 景観モードで検索された往路は、そこそこ大通りも走るルートだった。大通りか景観かの2択しかないので、自分好みの細かなルートは選べない。希望通りに走るなら、途中経路を何か所か設定してつないていくしかないのだろう。指示に従わず提案ルートから外れると、数十メートル走った頃にリルート案を表示してくれる。これは思ったよりも早く、満足のいく機能だ。

自分好みのルートで走ってきました、鶴ヶ島

 復路はBeelineに任せたところ、多少の大通りも含まれていたがほぼ満足できるルートだったので、矢印に従って走った。

右折車線で信号待ち、この交差点を右ですね

曲がる交差点に進入した時点で「20m先左折」のような表示になるが、そういう表示だと理解すればすぐに慣れる。目的地や交差点などのポイントは針で刺したような正確な位置情報になっているらしく、例えば蔵王飯店の位置情報が厨房の中だったりすると、店内に入っても「右手3m先」のような表示になって到着にはならない。ポイントの近くに来たら「ここですよ」で良いと思うのだが。

 まあ総じてBeelineの使用感は悪くない。表示も単純な分直感的にわかりやすいし、充電も長持ちするようだ。一方スマホ側(実はこっちのアプリがBeelineの心臓部、バイクに取り付けるのは単なる表示デバイス)は走行中ずっと位置情報を更新し続けるので、通常よりも電池の減りは早い。その分GoogleマップのタイムラインやBeelineアプリには、かなり正確に走行記録が残る。

かなり正確に走行記録が残ります グレーはBeelineの推奨ルート

 さて蔵王飯店、頂いたのは人気の一つ「麻婆セット」。麻婆丼、麻婆麺、四川水餃子のセットだ。

 先に水餃子が提供され、これは担々麺のスープがかけられたような餃子。ゴマの風味が鼻腔を満たし、なかなか旨い。しばらく遅れて提供された麺と丼は、いずれも熱々の餡が載せられている。よく炒められた豆板醤の香りが高く、それほど辛みはなくうま味が強い。チョッと油が多めに感じたのは、麺に油を絡めてあったからなのかな?

どれも十分に美味しいです 満足度高!

 1,350円と一人のランチにはチョッと高めだったが十分美味しく満足。鶴ヶ島には麻婆つけ麺のお店もあるので、麻婆つながり、次の機会に寄ってみたい。

 今回はBeelineメインで鶴ヶ島っぽい内容の乏しい、飯だけの旅になってしまった。ゴメン、鶴ヶ島

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八ヶ岳 The Last Visit

2023/11/18-19

 再度八ヶ岳に行ってきた。8月末に行った時は娘夫婦と4人であったが、今回は嫁と2人で、長年お世話になったペンションのオーナーへお礼を兼ねての訪問だ。

 今回はディナー前までに着けばよいので、嫁が食いたいと言っていた日高のラーメン屋「とんちぼ」でお昼を食べ、そのままペンションへ向かうことにした。また帰路も地場野菜くらいだけを買い、その他は寄り道はせずにまっすぐ帰る(つもりの)予定を組んだ。

 とんちぼ、非常に人気の高いお店で、土日は開店1時間前から並び始めるらしい。家からお店までは2時間ほどかかるので9時前に出発、いつも通り川越市内を通り開店30分前の11時に到着。既に20人近く並んでいる。当方の後にもどんどん列が伸び、人気のほどが知れる。

 店は16席ほどなので1巡目には入れず、開店40分後に席に案内された。頼んだのはベーシックな中華そば、おすすめの特製中華そば、そしてこれも人気らしい豚バラ軟骨丼だ。

いずれも味は美味しいが、当方には塩味が強すぎた

 結論を言うと、しょっぱくてあまり好みではなかった。出汁をポットで提供してくださるので、それで割って味を薄めながら頂いた。軟骨丼も味濃い目。やはり出汁を入れてお茶漬け風にして頂く。基本的に美味しいのだが当方には塩味強すぎ、1時間とか待って食べるなら他へ行くかな。お箸がプラの丸箸なのも使いにくい。当方は割り箸を持参した。

 まぁこんなものかと納得できたので八ヶ岳へ向かう。経路は雁坂道から甲府を抜けて中央道へ入り、諏訪南ICで降りる。車窓からは雪をかぶった八ヶ岳が見え、標高が上がるにつれ道路わきにもうっすらと積もってきた。いささかの不安も感じたが、路面には積もっていないので支障なく運転できた。宿には16時半に到着、211.2kmだ。

 ディナーはオシャレな前菜に続きキノコのクリームリングイネ、メインは嫁は仔牛のカツレツミラノ風、当方はガルシア豚のトマト煮込み。

前菜 この時期なのにトマトが美味しい!

シメジの味の濃さ、クリームソースに負けません

このペンションの最後の一枚となったカツレツ

濃厚なソースは白よりも赤に合いそう

どれも美味しく、スパークリングと白ワインが空いてしまった。食後はオーナーもテーブルに座って頂き、グラッパウイスキーをなめながら雑談。サラリーマン時代の昔話や30年以上にわたる八ヶ岳暮らしの話などで盛り上がり、日付が変わる近くまで付き合って頂いた。

 翌朝は快晴。昨日積もった雪がキラキラと輝いている。客として来る本当の最後に、こんなきれいな景色を眺めることができて良かった!

雪化粧のペンション回り

My AURAも霜で真っ白

 いつもの濃いスクランブルエッグとクロワッサンの朝食を頂き、オーナーに改めてお礼を述べ宿を出た。

風味豊かなスクランブルエッグ、リンゴも美味しい

この宿があって来ようと思えば来れるのと、来たくてももう来れないのは全然違う。何かの機会にまた会えるのを信じよう。

 帰路はまず八ヶ岳高原ラインを走る。My AURAの足の良さが率直に伝わってきて楽しい。コーナー入口ではアクセルの開け具合だけでスピードをコントロールでき、途中はほとんどロールを感じることなく、まるでレールの上を流れるようにカーブを曲がる。こんな風に曲がれるなら、出口の立ち上げにもうチョッとパワーがあったらなお楽しそうだ。さらに四駆なら敵なしかも。その後は野辺山から南相木村北相木村上野村を通り、本庄児玉ICから関越道を使ってさいたままで存分にMy AURAの走りを楽しむことができた。

八ヶ岳高原ラインの東沢大橋展望台から

野辺山から望む八ヶ岳 真っ青な空!

 さいたまに戻ったのが15時過ぎだったので伊勢丹に寄り、頼んでおいたレザーのジャケットを受け取り、さらにスーパーで惣菜を購入し、17時に帰着した。帰路220.6km、合計431.8kmだった。

 とんちぼ、最後のペンション、My AURAでの初の遠乗りと、盛りだくさんの旅。雪化粧の八ヶ岳がとても美しく、My AURAの楽しさを十分に味わった一方、ペンションが閉ざされるという時代の移り変わりを感じた旅だった。

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Beeline Moto

2023/11/11

 Beeline Motoを買った。先のスペイン出張の日当を当てにして、出発前に買ったのだ。出張中はやはり何やかんや金を使うし、ものすごい円安のおかげで結果的に足が出たのだが、買ったものは仕方がない。

 ナビ。今までは事前にルートを調べ、頭の中に入れたりスマホにメモしたりして、それを頼りに走っていた。しかしいかんせん頭のナビはよく間違える。スマホのメモもいちいち立ち止まってバッグから出さないと使えない(ハンドル周りはスッキリさせておきたいので、スマホをナビには使っていない)。よってBeeline Motoを買ったのだ。諸先輩の動画を見ればまぁまぁ使えそうだし、デザインも邪魔にならない大きさみたいなので、メーター周りにあってもさほど気にならなそうだ。

 んで今日、久し振りに時間のある土曜、ツーリングはやめにしてMy Cubに取り付けることにした。

 最初に考えた場所は、ミラーのステーへの輪ゴム止め。取付のアタッチメントが最小なので見栄えは良い。しかし表示面が垂直に近くなるのと、何しろグラグラ動くのが好ましくない。駐車中にBeeline本体を取り外しても、アタッチメントは輪ゴム止めなので簡単に外すことができるし、万一ゴムが切れたら落としてしまう可能性もある。却下。

 次に考えたのは、基本セットに含まれる両面テープ止めのステーで取り付ける方法。これは取り付け位置がいろいろ選べたものの、う~ん、両面テープをそこまで信じることができない。しかも後日剥がしたら、跡も残りそうだ。本案も却下。

 My CubにはDaytonaのスクリーンを装着しているので、結局これを利用することにした。

 上記両面テープ止めキットは3つの部品、①本体取付部、②ステー、③両面貼付部で構成されている。この③を外し、②の肉抜き部分にスクリーンの取付ボルトを通すことにした。ホムセンで6M30mmのボルトを買い既存の取付ポルト(6M15mm)と交換、肉抜き部分に通して固定した。

 結果はなかなか良好。いろいろ見やすい位置を選ぶこともできる。当方はBeeline本体を着脱しやすいよう、本体がスクリーン支持の水平ステーの上側にくる場所に設置。メーターが一つ増えた程度の感覚で許容範囲内。実際に使うのが楽しみだ。

最初考えた水平ステーより下の位置。本体の着脱がしにくい。

選んだ水平ステーより上の位置。本体取付部は一旦外して向きを変えています。

本体を装着するとこんな感じ。上部の突起2枚は後で削ろうかな…

全体はこんな感じ。さほど気にならない程度に収まります。

 使用実感は何度か使ってみた後にUPしたいと思う。

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スペイン バルセロナの旅

2023/10/23-29

 スペインのバルセロナに行ってきた。調べてみると最後にヨーロッパに行ったのは2016年で、やはりバルセロナだった。その後はミャンマーとかベトナムとか東南アジアに仕事が移ったし、2020年以降はコロナで海外出張とは無縁だった。

 7年振りのヨーロッパ、美味しいチョコレートと、せっかくバルセロナに行くのだからぜひバカラオを食いたいなぁと思いながら飛行機に乗った。

 新しい会社はプレミアムエコノミーに乗せてくれる。JALのパリ経由往復で52万円強。コロナ前ならビジネスでもお釣りがくるほどの値段にびっくり!

Premium Economyで一番好きな、最前列右のシート確保です

 またロシアのウクライナ侵攻でシベリア上空を飛べなくなったので、往路はアラスカからグリーンランドを経由するルート、帰路は中央アジアからヒマラヤ近辺を通過する南寄りのルートとなり、従来よりもそれぞれ1-2時間フライトが長くなる。14時間を超えるフライトはさすがに疲れる…

 現地ではまず3日間の仕事をこなした。4日目はホテルの部屋でレポート作成し、お昼はアジア飯を食いたくなったので近くの韓国料理店でユッケジャン定食を食った。やはり白飯は旨い^^

ユッケジャン定食 韓国人の経営でなかなか旨い

 午後は近所を散歩。

ヨーロッパは建物を見て歩くだけでも楽しい

バルセロナ中心街には大小の市場が多数あって、鮮魚や肉を扱うお店が多い。ハモンセラーノバカラオがとても旨そうなのだが、20時間以上保冷のままで持ち帰ることができないのであきらめるしかない(そもそも肉類は持ち帰り禁止)。

海鮮、ハムソー、オリーブ、お菓子…どれも美味しそう^^ 特にバカラオ!

定番のチョコレートと、たまたま入ったブティックで見つけたラフな上着(€100)をお土産とした。

 現地での夕飯は客と一緒だ。皆さんやはりスペイン飯を食べようとおっしゃる。もちろん当方異存なしだ。

 現地で外せないのはやはり生ハム。熟成した豚もも肉からは芳醇な香りが漂い、透明感のある身はまるで鉱物から切り出されたようだ。カヴァの炭酸が口中の脂を中和させてくれ、いくらでも食べ、飲めてしまう。

透明感ある身と脂肪の白色のコントラストが素晴らしい!

 またオリーブはピクルスや塩漬けで提供され、気軽なおつまみとしてポイッと食べられ、いい箸休めになる。

これも外せないオリーブ スペイン万歳!

 当方が期待していたバカラオ、最初は焼いたものをトマトのソースで頂いた。身は厚く柔らかく、ほんのり塩味を感じる。これをソースと一緒に頂けば、ソースの酸味が身の甘さを引き立てるように感じられ、上品な一皿になっている。日本でも品質の良い甘塩のタラを入手できれば、近いものが作れるかもしれない。

この身の厚さがすごい ボリュームたっぷりです

 別の日に頂いたのは、英語メニューに「タラとトマトのサラダ」と書いてあったもの。これ、一口大に切った生(?)のタラの身にニンニクとトマトのすりおろしを載せ、オリーブオイルをかけたカルパッチョ。タラが生だったのかどうかはわからない。でも食感は生。ムチッとした歯応えが何とも言えない。昔富山で食べたオコゼの刺身のような感触だ。これをカルパッチョで食うのだからたまらない。ワインがグイッと空いてしまう。スペインに来なければ、バカラオを知らなければ食べられない一品だろう。

今回一番おいしかったタラのカルパッチョ 一人占めにしたかった

 パエーリャは、日本のスーパーで買うパエーリャミックスで作ったものと大きくは変わらない。それだけミックスが良く作られているのだと思う。それでも本場シーフードのパエーリャはさすがに美味しかった。

 片道20時間ほどもかかるのは楽ではないが、行けばその町が迎えてくれる。そこに吹く風や日差し、ワインや食べ物を味わえる。仕事とはいえ丸々一週間、しかも久しぶりのヨーロッパで、公私とも充実の出張だった。

経由地のパリへ向かってテイクオフ!

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入間郡毛呂山町の旅

2023/10/08

 三連休は秋雨前線の影響で、初日晴れ、中日曇り、最終日は雨と下り坂の予報だ。

 初日はMy AURAの一ヶ月点検、当然ながら特に悪いところはなく、小一時間で終了。ついでに洗車もお願いした。安い水洗いからワックス3回がけの3つのコースがあり、今回は3回がけコース。隔週程度には洗うつもりゆえ、3回がけコースと水洗いコースを交互にやってもらえば十分かと。

車がキレイだと気分良いです

 DS3はあまり汚れの目立たない色だったのでそれほど頻度高くは洗わなかったが、AURAは白なのできれいにしておきたい。ディーラーが一回千円前後で洗ってくださるので、これは価値があると思う。

 んで中日、またまた一ヶ月振りのツーリングに選んだ先は毛呂山町。また山だ。

 予報通り雲が出ていて気温は上がらない。うすら寒い中上着を羽織って出発。秩父への299号を武蔵横手駅で右折し、鎌北湖へ向かう。いきなりの急坂と狭隘路が迎えてくれる。車やバイクはほとんど通らず、ハイキングの人たちが大勢いらっしゃったのにはちょっとびっくり。

眺めの良い場所も。向こうは飯能の町かな?

途中の農家前で柚子とカボスが売られているのを発見、100円玉をビンに入れて一袋頂戴した。

柚子とカボスがおおらかに売られています

 山といっても奥秩父ほどのスケールではないので、ゆ~っくり走っても10分少々で鎌北湖畔に出る。昔は訪ねる人も多かったのかもしれないが今はひっそりとしていて、それが湖面の落ち着きにマッチしている。

鎌北湖は農業用水確保のために作られたそう

湖面に張り出すように枝を伸ばすもみじが見事で、これは紅葉の時にぜひ再訪したい。

こんなに大きなもみじ、なかなか見られないのでは?

 町の中心部近くまで降りてくると毛呂山食堂というお店があって、豚肉と半熟目玉焼きを載せたような「豚玉毛丼」なる丼物が人気らしいので寄ってみた。ところが本日休業の札が出ていて、たまたま店頭にいらっしゃった大将が、申し訳ありませんと恐縮しながら頭を下げられた。ちょうど同じタイミングで到着したチャリダー2人も、残念そう。それならと目標を町の東端にある青柳食堂に切り替える。この青柳食堂もものすごく気になっていたお店。開いていることを願おう。

 Wikipediaによれば埼玉県内に5つのランナバウトがあり、その一つが毛呂山町にあるので寄ってみた。県道39号から武蔵長瀬駅に向かう途中の公園前にそれはある。なかなか見かけない「ぐるぐる回れ」の標識があり、道路が直径6-7mの植え込みを囲んでいる。

海外ではよく見るが、日本で現物見たのは初めて

知らない人は一瞬迷うかもしれないが、たまたま同時に反対方向から侵入してきた2台の車は、普通にすれ違うように通過していった。さすがだ。

知る人は普通に通過していきます

当方もせっかくなので2周ほど回ってみた。

 次に向かったのは県内のラーメンチェーンの一つ、福しんの工場入り口に設置されているどひえモン。ラーメンや餃子、炒飯、チャーシューなどが売られている。

工場前だけあって充実の品揃え

当方は厚切りチャーシュー900円を購入し、このツアーの戦利品とした。

 福しんから青柳まではほんの3-4分。開いていることを願いつつ走っていくと、「青柳」と墨書された看板とガラス引き戸に「営業中」の札が見えた、良かった!

 店舗脇の砂利の駐車場にMy Cubを停め、店内に入る。いらっしゃいませ、の声と共にお盆に載せたお水を運んでこられ、100度以上も腰を曲げて頭を下げて挨拶して頂き、こちらが恐縮してしまう。

 建物は古く多分昭和20-30年代か、それでも店内は掃除が行き届いている。テレビはなくラジオからNACK5が流れていて、しっくりと落ち着いた雰囲気だ。素晴らしい。壁の短冊に書かれたメニューは、相場よりも2-3百円安いのではないかと思われる値段。嬉しくなる。その中からイカフライ定食をお願いした。

椅子のカバーが素敵です

 ほどなくして配された定食は、エリンギ・油揚げ・ワカメの味噌汁、沢庵・キュウリ・白菜のお新香・メインのイカフライはスティック状のものが5本にナスの煮びたし・千切りキャベツ・練り辛しが添えられ、ご飯もどんぶり椀にしっかりとよそられている。これを一品ずつ丁寧にテーブルに置いてくださり、また深々と頭を下げてごゆっくりどうぞとの声掛けがある。

イカフライ定食、なんと630円

サックリ揚がったイカはやはり醤油で頂こう

 料理はどれも美味しい。実際に美味しいし、この雰囲気がさらに美味しさを増してくれていると思う。

 最後の一粒までありがたく頂戴してお店を後にしたが、機会あれば必ずまた来たいお店だった。後継者がいらっしゃるかどうかはわからないが、ぜひ残って欲しいお店だ。

シンプルな暖簾、店内の雰囲気を反映しています

 毛呂山町、青柳に引っ張られた感もあるが、すぐ裏手には自然の残る山が控え町も落ち着いた雰囲気で、好印象の町の一つだった。ただ一つ残念だったのは、町名標を撮ったつもりが写っていなかったこと。

上辺の黒いのが町名標、絶対撮ったと思ったのに…orz

何見て撮ったんだろう、帰って情けない思いをしたのだった…

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出羽屋

2023/09/29

 山形県に西川町という町がある。山形市から庄内地方へ向かう途中、月山のふもとだ。人口約5千人の小さな町、自然豊かで冬は雪が1m以上も積もるそう。

 その町に「出羽屋」という知る人ぞ知る宿がある。知る人が何を知っているのかというと、その料理の素晴らしさだ。すべての食材が地産品。それをこの宿の主人が贅沢なコースに仕立ててくれる。春から夏は山菜、そして秋から冬はきのこを何種類も使った料理が膳に並ぶ。

 今春5月に来た時にその料理の豊かさに驚き、秋も来てみたいということで今回再訪した次第。

 山形駅でレンタカーを借り1時間ほど、町の中心地にあるセブンイレブン近くにその宿がある。決して新しくはなく、逆にその古さに趣を感じる建物。看板も重厚なオーラを発している。

看板に風格が漂います

入口のロビーには囲炉裏があり、炭が熾きている。一杯のお茶を頂き宿帳を書けば、部屋に案内してもらえる。

まだ初秋ですが火か熾きています

少しぬるめの湯に浸かって身体をほぐしたら、いよいよ夕食の席に向かう。

 個室のテーブルにはすでに前菜が並んでいる。いろいろなきのこを、その持ち味が十分に出るように調理された盛り合わせは、それだけで日本酒四合瓶が空く。その後もきのこ料理が次々と膳に乗り、その度に日本酒をお代わりしてしまう。

中には一年間塩漬けにしてようやく食べられるようになるものもあるそう

 とりわけ美味しかったのは、七種のきのこを使った汁物。なめこでトロみの付いた汁は、他のきのこの風味が折り重なっていて、さらに鶏の出汁で引き立っている。豆腐など淡白な味のものを入れたり、あるいはこの汁を蕎麦にかけて食いたいものだ。

どれも美味しいが、一番気に入ったきのこ汁 絶品です

 最後にきのこご飯ののり巻きが出たがとても食べられず、部屋飲み用に持ち帰った。

 翌朝も大きな天然なめこ汁やアケビの味噌炒めなど、地場物をふんだんに取り入れたおかずで炊きたての新米ご飯を頂いた。なんと贅沢な食事なのだろう。西川町の懐深い豊かさを堪能した。

夜の定食にもなりそな朝ごはん、全て地場物で手作り、贅沢です

 宿を出て最上川の舟下りに向かう。あまりきれいとは言えない濁った水の最上川だが、船頭さんのトークを聞きながらのんびり下るのは悪くない。

今回はこの船に14-15人の乗客でした

途中岩の多いところではスピードを上げ(そうしないと舵が利かないので、余計危ないのだそう)、多少のスリルも感じられる。多分5-6kmの距離を1時間強で下った。

岩を避けるため、少しスピードを上げて舵を切ります

 帰りは車を停めてある出発地点まで、バスで送ってもらえる。舟で1時間の距離はバスなら10分もかからない。なんだか素っ気ない気分。時間があるなら歩いてみても良かったかなと思った。でもまぁ、予想以上に楽しめたイベントだった。

 山形駅まで戻って車を返し、近くの蕎麦屋さんで飲むことに。

 駅からすぐの「続おそばに」に入ると、いろいろな日本酒が冷蔵庫に入っていた。残念なことに居酒屋メニューは夜だけなのだが、ご厚意で充実のお通しを用意して頂いた。

誂えて頂いたお通し一式、これで十分飲めます。ありがとう!

山形に来たら外せない「冷たい肉そば」旨い

それを頂きながらグラスを重ね、最後は「冷たい肉そば」を頂いた。

 そこへ行かないと絶対に食べられない料理。それを味わう贅沢。今回は男三人での旅であったが、My Cubで行くツーリングも似たものだと思う。そこへ行って風を味わい、そこにあるお店で食事を頂き、晩酌時にお土産を食べながら思い返して二度味わう。これもプチ贅沢だね。

今回の戦利品。青一味は最後の蕎麦屋さんで購入

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