晴れた日はクロスカブに乗って

さいたまのクロスカブ(JA60)乗りが、行った先や美味しかったもの、地産品などを記録します。

出羽屋

2023/09/29

 山形県に西川町という町がある。山形市から庄内地方へ向かう途中、月山のふもとだ。人口約5千人の小さな町、自然豊かで冬は雪が1m以上も積もるそう。

 その町に「出羽屋」という知る人ぞ知る宿がある。知る人が何を知っているのかというと、その料理の素晴らしさだ。すべての食材が地産品。それをこの宿の主人が贅沢なコースに仕立ててくれる。春から夏は山菜、そして秋から冬はきのこを何種類も使った料理が膳に並ぶ。

 今春5月に来た時にその料理の豊かさに驚き、秋も来てみたいということで今回再訪した次第。

 山形駅でレンタカーを借り1時間ほど、町の中心地にあるセブンイレブン近くにその宿がある。決して新しくはなく、逆にその古さに趣を感じる建物。看板も重厚なオーラを発している。

看板に風格が漂います

入口のロビーには囲炉裏があり、炭が熾きている。一杯のお茶を頂き宿帳を書けば、部屋に案内してもらえる。

まだ初秋ですが火か熾きています

少しぬるめの湯に浸かって身体をほぐしたら、いよいよ夕食の席に向かう。

 個室のテーブルにはすでに前菜が並んでいる。いろいろなきのこを、その持ち味が十分に出るように調理された盛り合わせは、それだけで日本酒四合瓶が空く。その後もきのこ料理が次々と膳に乗り、その度に日本酒をお代わりしてしまう。

中には一年間塩漬けにしてようやく食べられるようになるものもあるそう

 とりわけ美味しかったのは、七種のきのこを使った汁物。なめこでトロみの付いた汁は、他のきのこの風味が折り重なっていて、さらに鶏の出汁で引き立っている。豆腐など淡白な味のものを入れたり、あるいはこの汁を蕎麦にかけて食いたいものだ。

どれも美味しいが、一番気に入ったきのこ汁 絶品です

 最後にきのこご飯ののり巻きが出たがとても食べられず、部屋飲み用に持ち帰った。

 翌朝も大きな天然なめこ汁やアケビの味噌炒めなど、地場物をふんだんに取り入れたおかずで炊きたての新米ご飯を頂いた。なんと贅沢な食事なのだろう。西川町の懐深い豊かさを堪能した。

夜の定食にもなりそな朝ごはん、全て地場物で手作り、贅沢です

 宿を出て最上川の舟下りに向かう。あまりきれいとは言えない濁った水の最上川だが、船頭さんのトークを聞きながらのんびり下るのは悪くない。

今回はこの船に14-15人の乗客でした

途中岩の多いところではスピードを上げ(そうしないと舵が利かないので、余計危ないのだそう)、多少のスリルも感じられる。多分5-6kmの距離を1時間強で下った。

岩を避けるため、少しスピードを上げて舵を切ります

 帰りは車を停めてある出発地点まで、バスで送ってもらえる。舟で1時間の距離はバスなら10分もかからない。なんだか素っ気ない気分。時間があるなら歩いてみても良かったかなと思った。でもまぁ、予想以上に楽しめたイベントだった。

 山形駅まで戻って車を返し、近くの蕎麦屋さんで飲むことに。

 駅からすぐの「続おそばに」に入ると、いろいろな日本酒が冷蔵庫に入っていた。残念なことに居酒屋メニューは夜だけなのだが、ご厚意で充実のお通しを用意して頂いた。

誂えて頂いたお通し一式、これで十分飲めます。ありがとう!

山形に来たら外せない「冷たい肉そば」旨い

それを頂きながらグラスを重ね、最後は「冷たい肉そば」を頂いた。

 そこへ行かないと絶対に食べられない料理。それを味わう贅沢。今回は男三人での旅であったが、My Cubで行くツーリングも似たものだと思う。そこへ行って風を味わい、そこにあるお店で食事を頂き、晩酌時にお土産を食べながら思い返して二度味わう。これもプチ贅沢だね。

今回の戦利品。青一味は最後の蕎麦屋さんで購入

AN066