2024/01/21
昨秋のバルセロナ出張で、鱈のカルパッチョが美味しかったことはすでに記した。
それがとても美味しかったので、ネットで見つけた刺身用の鱈を扱う通販サイトで購入したものが金曜夜に届いた。発泡スチロールの箱には、鱈のあら、切り身、白子、刺身用さく、追加購入した鱈子の醤油漬けが詰められている。
まずは刺身用をそぎ切りにし、カルパッチョにした。真っ白な身にオリーブオイルがかかると、何とも艶っぽい雰囲気に…
身は味が薄いので少し塩を振り、口に入れると上品な香りが鼻腔に抜け、ワインが引き立つ。旨い。嫁さんと一緒にワイン一本がスッと空いてしまった。惜しむのは、お皿を冷やしておかなかったこと。冷やしておけば、より歯応えを楽しめただろう。
翌土曜日の午前中は下処理をした。あらは塩を振ってから湯通しし、流水で良く洗う。切り身はサッと洗って水を拭き、キッチンペーパーとラップでくるむ。白子は血管部分をハサミで取り除き、やはり湯通ししたのち氷水で締める。処理したこれらを冷蔵庫に入れた。
夜のメインは当然鱈汁。富山時代に朝日町で食った鱈汁にならい、ささがきゴボウを用意する。
他は豆腐とシイタケ、下仁田ネギだ。鍋にあらと水を入れ火にかけ、豆腐も入れる。沸騰してきたらアクを取りながら味噌を加え、味を整えたところでゴボウとネギを投入して完成。白子はそのまま皿に乗せ、ポン酢と小ねぎを散らす。
鱈汁、立ち上る鱈の風味が、雨の降り始めた寒い夜を暖かくしてくれる。
骨に付いた身や皮もしゃぶって食べる。旨い。ゴボウの香りもアクセントになって、味噌味によくマッチする。汁だけで酒が飲めてしまう。そして白子の滑らかなクリーミーさは、何に例えたらいいのだろう。
これほど混じりけのない白さは、まるで象牙細工のよう。よく冷えた新潟は菊水酒造のふなぐちがするりと喉を通る。しみじみ日本に生まれた幸せを感じる。締めは残った汁に冷凍うどんを入れ、最後の一滴まで味わった。
さて日曜日、残っている切り身はムニエルにした。塩コショウを振って小麦粉をまぶし、オリーブオイルでじっくり焼いた。ズッキーニを付け合わせに、出汁醤油と黒酢のソースで頂く。
柔らかくふっくらとした身のムニエルは、「タラの週末」最後の一皿にふさわしい。
カルパッチョ、鱈汁、白子ポン酢、ムニエルと、十分堪能。
さて結論を書くと、これらの料理はお店で食べるべき。鱈は日持ちしないので、セットで送られてくる関係上3晩連続の鱈料理となった。またあらや白子の下ごしらえはそこそこ手がかかる。さらにいくら新鮮といっても、どうしてもキッチンに匂いが残る。特に下ごしらえの後は、シンクを漂白剤で洗っても何かの拍子にフッと鱈の匂いが感じられる。これらの点と費用を考えると、一番いいのは現地で食すこと。その次は魚が売りの居酒屋さんに行くこと。
美味しく味わえ、そして勉強になった週末だった。
--- おまけ ---
生たらこ醤油漬を、熱々のごはんで食べてみた。
かつて新潟の柏崎で買った魚卵塩辛と違い、塩分控えめ。生で食べるよりも、同封のレシピにあったように料理に使う方が良さそう。近々糸こんにゃくで試してみよう。
AN075 HC006