晴れた日はクロスカブに乗って

さいたまのクロスカブ(JA60)乗りが、行った先や美味しかったもの、地産品などを記録します。

長野県南佐久郡川上村の旅

2023/09/02

 埼玉県は長野県にも接している。秩父市南佐久郡川上村という自治体とだ。秩父の奥に中津川林道というのがあって、かつてはその先の三国峠を越えて直接川上村に入ることができた。当方も過去にオデッセイで越えたことがある。しかし2019年の台風被害のため、今は通れない。従い川上村へ入るためには、佐久か甲府に迂回しなければならない。今回は甲府側へ迂回し、一般車両が通行できる日本一標高の高い峠(2,365m)である大弛峠(おおだるみとうげ)を越えて入ってみよう。というか大弛峠越えがメインかな^^;

 ルートは秩父から140号で甲府へ向かい、途中の山梨市牧岡(ここまでは先週の八ヶ岳と同じルートだ)を右折して乙女湖経由で大弛峠を目指す。川上村へ降りて観光した後、南相木村北相木村を通過、ぶどう峠・志賀坂峠を越えて秩父に戻る、370kmほどのロングライドだ。

 ざっと13時間ほどかかると計算し、家を出たのは午前3時前。朝の秩父路や標高2,000mを超える大弛峠は寒かろうと、シャツ・薄い長袖・半袖Tシャツを着、リアケースにウインドブレーカーも入れて出発。さすがにこの時間は交通はほとんどなく、順調に走れる。秩父へはちょうど2時間で到着。駅近くの牛丼屋さんで朝食をとった。

 牛丼屋さんを出るとだいぶ夜が明けてきていて、青空が広がっている。良かった。

少し曇ってるけど、反対側は青空です

それでも雁坂道を登るとやはり寒く、ウインドブレーカーを着てさらに進む。滝沢ダム手前のループ橋では、駐車場にMy Cubを停めチョッと歩いて橋の上からダムを撮ってみた。のぞくと橋の高さは想像以上で、お尻の穴がすぼまってしまう感覚。早々に切り上げた。

橋の上からの眺めはなかなかです

 車で通ると退屈な雁坂トンネルは、今回は前後に車がいなかったので気楽に走れたが、トラックとかが一緒だったらきっと恐怖を感じてしまうだろう。7km近くを非力な原付二種で走り抜けるのは、それなりの覚悟がいる。抜けてホッとしたところでトイレ休憩だ。

山梨側に料金所があり、チョッと休める広場もあります

 さらに山梨側を「道の駅まきおか」まで下り、大弛越えに備えてガソリンを入れるため、スタンドがオープンする7時まで20分ほど時間を潰す。駅内に小高い丘があり、そこから富士山が良く見えるそうなので寄ってみると、頭のてっぺんだけチラリと見ることができた。

牧岡まで下る途中、3,000kmになりました

駅内の丘から富士山が見えます

 満タンにしたらいよいよ峠越えだ。この辺りはちょうどぶどうの収穫時期で、峠に向かう斜面(南向き)は一面ぶどう畑。

一面のぶどう畑

ここを直進すると本格的な峠道が始まります

その中を登って琴川ダムを過ぎると、本格的な峠道に入る。2速と3速を頻繁に切り替えながらウネウネ登ること15km、8時ちょうどに大弛峠に到着した。峠の広場は無論その手前から路駐の車がびっしり。金峰山甲武信ヶ岳へ登る方が停められるのだろう。

一応エビデンスとして

峠からの眺望はあまり良くありません

 標高が2,365mある割には寒くない。ウインドブレーカーなしでちょうどいい。少し写真を撮りたかったのだが、何しろバイクでさえ停める場所がないほどの混雑なので、トイレにだけ寄って長野側、すなわち川上村に下りることにした。

 山梨側はきれいに舗装されていた道路が、長野側はいきなりのダート。峠付近はそれでも走りやすかったのだが、少し下りると大小の石がゴロゴロ転がる路面になる。すべての石が浮石で、前輪が乗ればガクッと動いてタイヤが振られる。なるべくシートの前方に跨り、両足をやじろべえのようにしてバランスをとる。フットブレーキは全く使えず、1速で下る。数メートル先の路面を見てラインを決めるのだが、そのラインに乗せるのさえ難しい。ところどころ少し落ち着いた路面になると、自然にフーッと大きなため息が出てしまう。そのぐらい緊張の連続なのだ。先人たちのYouTubeを笑って見ていたが、このすさまじさは実際に走らないとわからない。

かなり路面状態の良い場所で停め、写真撮りました

 下りるにつれて落ち着いた路面が多くなるものの、9kmのダートを終えるのに45分かかった。途中オフロードバイク4台と、チェロキー、スズキジムニー各1台とすれ違った。普通の乗用車では絶対に通れない道路、終わった時は心底ホッとしたが、しばらく経つとまた走りたくなるかも。

 峠下から川上村中心部へ続く道はきれいな舗装道路、天国^^v 両側に広がる畑はレタス畑だそう。川上村は村全体が標高1,000mを超えていて、その冷涼な気候がレタス栽培に適しているのだそうだ。畑の脇には色とりどりの花も植えられていて、気持ちがスーッと和んでいく。来てよかった。

花と畑のコントラストがきれいです

村名標にも花が植えてあります

 お土産はNana’Sという地元スーパーに寄ってみた。このスーパー、吹き抜けの2階があって、そこで買ったものを食べたりもできるオシャレなお店だ。下でお弁当を買って2階で食べれば、美味しくてリーズナブルなランチになる。今回はまだ10時前なのでお土産だけ探した。

なかなか楽しめるスーパーでした

野菜や味噌に地場産のものを見かけたが、その他の商品はナショナルブランドが多い。今日は長丁場なので保冷バッグを持参しておらず、先週も長野ブランド品を購入していることから、選んだのはワサビ入りの「八味」なる唐辛子。バッグにポンと入れて帰路につくことに。

 ここからは南相木村北相木村を通りぶどう峠を越え、上野村から小鹿野秩父を経由して帰るだけ。山道が続くが、大弛のようなことはなく普通に走れるはず。

 南相木村に続く道を登りながら振り向くと川上村、深い山間にレタス畑が広がり、米とは違ったとてもやさしい風景を見せてくれている。1週間じゃ長いけど、2-3日なら何もしないでのんびり過ごしに来てみたい、そんな雰囲気の村であった。

斜面にレタス畑が広がっています

 川上村を10時に出てぶどう峠まで45分、上野村へ下りると11時、腹が減ってきた。

長野からぶどう峠を越えます

峠を下り切ったところにある「川の駅上野」に寄ると、「きのこカレー中盛り 600円」が目に入ったので注文。シイタケやキクラゲが入った中辛のカレーで、そこそこ美味しく頂けた。

キクラゲの歯応えが良かった

 ここから標高がさらに下がるので、トイレで一番下のシャツを脱ぎ、長袖シャツとTシャツの2枚に減らして出発、秩父へ向かう。

本日最後の峠越え、志賀坂峠です

小鹿野まで来ると、自宅までまだ90kmもあるのになんだかほぼほぼ戻ってきたような気分になる。

 この後はいつもの道をたどるだけ。背中に当たる陽の暑さに辟易しながら秩父・日高・川越を抜け、浦和のスタンドでガソリンを補給し、無事家に着くことができた。

 2時50分出発で15時半帰着、377.7kmの旅だった。

 帰りは秩父辺りから、さすがに尻も痛くなってきた。川上村では三国峠まで登って、通行止めの柵を見てみようかとも思ったが、行かなくてよかった。まぁ場所や季節を選べば300km超のツーリングがさほど苦にならないことがわかったし、何より峠はやはり楽しい。隣接市区町村制覇の旅は、パスハンティングの旅になるね、こりゃ。

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