2023/04/23
しばらく長距離を乗っていなかったので、今回は上里町へ向かい、埼玉県最北の地を訪れてみようと思う。
最北の地は神流川・烏川を渡った先ににある無人の字(上里町毘沙吐)にあって、群馬県からでないとアプローチできない。上里町は国道17号をなぞれば良いのだが交通量が多いし上記の事情もあるので、羽生から群馬県に入り利根川を遡ることにした。
羽生から国道122号の昭和橋を渡り、すぐに左折して西へ進む。家並がまばらになれば、麦畑越しに赤城山を望むいかにも群馬らしい風景が広がる。風に揺れる麦の穂が水面のようで美しい。
しばらく進むと交差点に「赤岩渡船」の案内板を見つけた。この利根川に渡し舟があるのか、と寄ってみることに。県道から土手に入ると正面に常夜灯のモニュメントが見え、それを越えれば確かに船着き場があって船が泊めてある。聞くと需要に応じて船を出してくれ、しかも無料だそうだ。県道の延長としての扱いで、千代田町が群馬県から運営を委託されているらしい。富山時代、新湊でNMAXごと小さなフェリーに乗って湾を渡ったのを思い出す。残念ながらここはバイクも自転車も載せられないそう。載せてもらえるなら迷わず渡ったと思う。
土手からの眺めよく、風も心地よく、田山花袋がこの渡船について記したエピソードなども紹介されていて、とても興味深い場所だった。いつか渡ってみたい。
渡船場を後にさらに利根川左岸を遡る。途中住宅街や工業団地のような場所に入り込んで迷う場面もあったが、何とか玉村ゴルフ場へたどり着く。
さていよいよ最北の地だ。舗装道路が途切れた先はゴルフ場の縁に沿って荒れた小道になっていて、そこをMy Cubで進む(楽しい^^)。スマホの地図で目的地へ到着したことを確認する。ゴルフ場側が群馬県、雑木林側が埼玉県だ。そこには「特定猟具使用禁止区域」の看板が2枚立てられており、片側には「群馬県」、もう片側には「埼玉県」の表記がある。
群馬県から埼玉県へボールを打ち込んでしまうゴルファー、拾いに行った先が埼玉県だと意識する人はいないだろう。
しかしなぜこんな陸続きでない無人の場所が埼玉県なのか不思議に思ってしまう。「飛び地」は珍しくないし、昔の領主がどうしたとか縁者がこうしたとか、調べれば何か理由があるはず。この毘沙吐のいきさつ、一度調べてみようかな。
この時点で10時過ぎ、6時前に家を出たおかげなのだが、さすがに昼飯には早い。ポリシーには背くが、帰りがけにどこかで食うことにして帰路に就く。
毘沙吐から群馬県に入り、神流川を渡れば再び埼玉県上里町だ。県境の神流川橋は建て替えられて間もないらしく、新しい橋には県名プレートがない。やむなく古い橋のプレートをスマホのカメラをズーム一杯で撮るが、不鮮明になってしまった。
上里町のGSで給油すると198kmで3.24L、61.1km/Lとよろしくない。も少し乗らんといかんかな。
あまり下調べのない旅程だったが、利根川の現役の渡し舟を見つけられたり、Cross Cubならでは行けた北端の地を踏んだり、十分楽しめた。良い旅であった。
AN051 RS003 SS019 0550-1340 2319